ステムベアリングのメンテナンス

そのまま運転し続けるのは危険!

フラフラと走行しているバイクを見ていると不安を感じるものですが、ライダーの運転テクニックの問題だけでなくバイクそのものに問題があるかもしれません。
直進走行時の安定性が悪くて、わだちになっている部分を乗り越えようとした時にあまりにも不安定な状態になるほどふらつくという場合にはステムベアリングが異常をきたしている可能性が高いです。

ステムベアリングがダメージを受けていることがわかりやすいのは、バイクの免許を取得した時に皆さんも苦労しながら練習したはずの「一本橋走行」をしてみましょう。
おそらく、運転テクニックには自信があるはずの教官でもステムベアリングがおかしいバイクで運転をするとあっという間に脱輪するはずです。
それほどバランス感覚を狂わせてしまう原因になるので十分注意してください。
このまま運転し続けるのは非常に危険なので、速やかに交換していただきたいものです。

ステムベアリング交換の目安

ステムベアリングは頻繁に交換するものではありませんが、経年劣化に伴い摩耗してダメージを受けるものです。
交換時期の目安を判断する方法としては、まず車体をまっすぐにした状態からジャッキなどを使用してフロントタイヤを浮かせて左右にゆっくり動かしてみましょう。
真ん中でタイヤが止まったらベアリング交換の時期だと考えてください。
正常な状態では左右に動かしても引っかかることなくスムーズに動くはずです。
このような症状が確認できた場合には速やかにステムベアリングの交換を実施してください。

参考:http://docodocodoco.com/bike/nijijyotennkenn.html#tenken-stembearing

ステムベアリングのグリスアップ、交換

ステムベアリングのメンテナンスを行う際には、三つ又から先の部品は全部取り外すことになります。
車種によってはセンタースタンドが存在していないため、ジャッキなどを準備しておくと良いでしょう。
アウターレースを抜き取る際には専用工具を使用するかスチール角材で叩くことで取れます。
どうしても取れない場合には温めることで簡単に取り外しできるようになります。

グリスアップを行う場合には灯油などを使ってローラーを洗浄してから極圧性の高性能グリスを使用してグリスアップしましょう。
交換を行う場合には専用のフックレンチを使用してください。
なお、ベアリングを叩いて入れる際にはベアリングを直に叩いてしまうのではなく、ローラーが当たらない部分を叩くのがコツです。

ステムシャフトのベアリングを交換する際には専用工具があると良いのですが、わざわざ用意するのが大変だという場合にはタガネを使ってインナーレースを叩くことでベアリングを浮かせることができます。
思っていたほど大変な作業にはならないと考えられますので、ゆっくりと落ち着いて作業を行ないましょう。