カテゴリー: 工具の使い方

  • テスターの使い方

    バイクカスタマイズにおけるテスターの用途

    今どきのバイクのカスタマイズでは、電装部分の調整が欠かせません。
    特にここ近年のバイクのトレンドとしてバイクの構造の多くを電子制御する方向になっているので、電装部分のカスタマイズをすることにより、自由に付属品など車載するグッズを充実させていくことができます。

    しかし電装系というのは電気についての知識がなければうまく調節することができず、せっかく取り付けまで行ったのに肝心の電気がうまく通電されていなかったなんていう失敗談もよく聞かれています。

    そこでこれから電装部分に関わるカスタマイズをしていくためには、それぞれの接続部分に必要な電圧がかかっているかをチェックしていく必要があります。
    そのチェックをするために便利なのが「テスター」という工具です。

    テスターは、小中学校の理科の実験でもおなじみの2つの場所にそれぞれ「+」「-」2つの極を設置することでその間の電気を計測することができる機械となっています。

    小中学校でよく見かけるのが黒いケースに入ったアナログ式の計器で、赤と黒のワニ口クリップがついていたりします。
    市販されているテスターはそうしたもの以外にもより簡単に計測ができる簡易版も多いので、邪魔にならないように用途に適したものを選んでみてください。

    テスターには大きくアナログ式とデジタル式があります。
    いずれも基本的には電圧と電流の両方を計測することができ、スイッチを合わせて2つの極を指定するだけで簡単に数字が出されます。

    テスターを使うことにより断線チェックをすることも可能となるので、電装機器の一部に不具合が出たときに原因追求をすることができたりします。

    使用時にはまず動作確認を

    初めてテスターを使うというときにはまずバイクのエンジンをかけ、動作によりどういった変化が起こるか確認してみることをおすすめします。

    というのもバイクのバッテリーはエンジンの動作により自動的に充電をすることができるようになっているので、エンジンをかけて回転数を上げることにより電圧に変化が見られるからです。

    バッテリーに接続できるアダプターは数が限られるので、新たに伝送機器を設置したいという時には既に組み込まれている部品から電線を枝分かれさせて使用していかないといけません。

    テスターを使うことによりそうした別の配線から電気を分けてもらうときにどのくらいの電圧をキープできるか確認することができたりします。

    これから設置をする機器類の説明書を見れば必要な電圧が必ず記載されているのであらかじめテスターで必要な電圧が確保できているかどうかをチェックしてみてください。
    市販されているテスターは安いものなら500円程度から購入が可能です。

  • ニップルの使い方

    ホイールのゆるみを調整するニップル

    「ニップル」または「ニップルレンチ」と言われる工具は、主にワイヤースポークホイールを調節するときに使用される工具です。
    形状としては数センチくらいの棒状のスチールの両端がレンチのように開いているものが一般的ですが、それ以外にも「スポークレンチ」や「ニップル回し」といった形状で同様の機能を持った工具があります。

    このニップルの調整は自動二輪車よりもむしろ自転車でよく聞かれるもので、ロードバイクを自分で調節する人であれば必ず備えておく工具となっています。

    バイクのタイヤはゴム部分の本体とそれをはめ込んでいるフレーム部分によって構成されていますが、中心部から複数の細い針金状のものが内径に向かって伸びています。

    このホイールは新品として購入をしたときにはしっかりしているのですが、長く乗っているとどうしてもホイール部分が伸びてゆるくなっていくので、走行をしたときにタイヤが左右にブレるような感覚が出てきます。

    ニップルというのはそうしたホイール部分がタイヤ内径に接する場所にある金具のことで、こちらを締めていくことでタイヤのぐらつきを直していくことができます。

    ニップル直しは接続部分についている小さな金具を締め付けるために用い、すべてのニップルをコツコツと全部締めていく作業となります。

    「ニップルレンチ」は他の呼び方がいろいろあり、形状もまちまちなのでどういったものが自分にとって一番やりやすいかということを考えて選ぶようにしましょう。

    ニップル使いはコツが必要

    「ニップル回し」という丸いコイン状の大きさの工具であれば、100均ショップのDIYコーナーで探すことも可能です。
    構造そのものは簡単なので、簡易版であればかなり安く購入をすることができます。

    ただ使いやすさということで選ぶならやはりレンチ型をしているものがおすすめになります。
    レンチ型の工具もグリップ部分がついていたり、輪のようになっているものがあったりします。
    本格的な工具の場合、価格は2000円程度と100均と比較するとかなり高めになりますが、その分作業効率はぐっと高まります。

    しかしスポーク部分の調節はどこが緩んでいるか確認しながらの作業になるのでちょっとしたコツが必要になります。
    ですので調節をするときには、スタンドなどにあらかじめ車体を設置して回転させながら左右どちらにどういった感じでブレるかを確認しながら行っていきます。
    ブレる方向により締め付けが必要となるスポークが異なるのでただ一律にすべてのニップルを締めれば作業が終わるわけではありません。

    特にバイクの場合単純な放射状ではなく複雑に針金が組み合わされているので、取り外してもとに戻せなくならないようしっかり作業前に構造を理解しておいてください。

  • パイプレンチの使い方

    パイプレンチの仕組み

    バイク用に限定されませんが、あると非常に便利な工具の一つに「パイプレンチ」があります。
    パイプレンチは文字通りパイプを締めるために用いる工具で、通常の工具では掴むことが難しい円型のパイプをしっかりグリップして力を加えることができるしくみをしています。

    パイプレンチの形状は一見モンキースパナに似ていますが、先端部分が並行に伸びるようになっているところが特徴です。
    使用する時には先端に取り付けられている歯の部分を伸ばしてパイプの径に合わせ、引っ掛けながら回していくことになります。

    この先端の歯の部分は伸ばした時軽くガタつくように感じるのですが、これはむしろそのようになっているのが正しい状態で、引っ掛けたパイプとの隙間をうまく噛み合わせるために使用します。
    パイプを挟み込んだときに数ミリの隙間があることにより、レバー部分を下に押すと自然にパイプを締め付けて自然に下方向に回すことができるのです。

    取り外すときには伸ばした歯の根本の部分を軽く押すようにするだけで簡単にはずれるので素早く複数の場所を締めなくてはいけないときにも非常に便利に使っていけます。

    スパナやモンキーレンチで同様の作業をしようとすると、どうしてもパイプをうまく挟み込むことができずにつるつると滑って思うように締めることができません。
    また余計な部分に力が加わることによりパイプの側面がへこんでしまう危険もあります。

    パイプレンチにも「トライモタイプ」「リッジタイプ」「コーナー用パイプレンチ」の三種類があり、どういった場所で使用するかによって形状が異なってきます。

    パイプレンチ、どんな時に使う?

    パイプレンチを使うシーンとしてはバイクで使用されているパイプ各種の締め付けがあります。
    必ずしもなければいけないという種類の工具ではないのですが、あることにより飛躍的に作業が楽になることがあるので、一つ備えておくのがおすすめです。

    特に細かくて他の工具が入れにくい場所などでは小さな力で簡単にパイプを回転させることができるパイプレンチは大変便利なので、本格的なカスタマイズをしたいという人は持っておいた方がよいのではないかと思います。

    シーンに合わせて選択を

    なおパイプレンチの人気メーカーとしては「ARM強力型パイプレンチ」や「ストレート パイプレンチ」「HIT アルミパイプレンチ」といったものなどがあります。
    市販品はかなり数が多くサイズや材質もそれぞれなので使用するシーンに合わせて選ぶようにするとよいでしょう。

    選び方のコツとしては、径の太いパイプに使用する時には柄の部分が長いものを、力のない女性などが選ぶのであれば本体がアルミ製で軽く作られているものにすると使いやすくなります。

  • プライヤーレンチの使い方

    レンチにも様々なものがある

    日常の工具としてもレンチは使う場面があるために、バイク初心者でもなじみのある人が多くいます。
    メンテナンスをする際にはレンチは必要不可欠です。

    バイクはたくさんのパーツを組み合わせており、組み合わせるためには溶接をするかナットやボルトでつなぐしかありません。
    溶接をすると完全にくっついてしまい取り外すことができませんから、修理やメンテナンスのたびに開くような部分には不適です。
    そこで、そういった部分にはボルトやナットが使われており、それを開閉するためにレンチは使われます。

    スパナやメガネレンチ、ソケットレンチといったものは初心者が最初に揃えるべきレンチとして必ずあげられるものです。
    しかし、持っているとぐっと作業の精度が上がるものとしてプライヤーレンチがあります。
    ここではプライヤーレンチの特徴と使い方を紹介していきます。

    プライヤーレンチの使い方

    プライヤーレンチは通称掴みものと言われており、あごの部分に刻みが入っていて相手に食いつくことができます。
    その中でもドイツのクニペックス社のものは使い勝手が良いと評判で多くの自動車やバイクメーカーをはじめとした製造業の現場で使われています。

    特徴としてあご部分がつるんとなっており、フラットな構造です。
    平行に開閉する口幅の調整はヒンジ部分にあるプッシュボタンを押すだけで簡単にワンタッチ操作ができます。

    はさみのように2枚の部品が重なっているのが一般的なプライヤーレンチですが、クニペックス社のものは3枚構造となっています。
    そのためねじりが必要な場面では剛性が確保されていて使いやすいです。

    このように同じプライヤーレンチでもその特徴によって使い勝手が大きく違ってきます。
    自分のバイクの様子によって合うものを選ぶとしっかりと握ってうまくナットやボルトを小さな力で回せるのです。

    プライヤーレンチはその見た目から、モンキーレンチやスパナでも同等の効果が得られるのではないかと思う人も少なくありません。
    確かにボルトやナットを開閉するという目的であればどちらでも同じ効果が得られます。

    しかし、使ってみればわかるのですがモンキーレンチやスパナとプライヤーレンチとでは密着度が全く違いその力の入れ加減が違うのです。
    そのためボルトやナットの角部分に優しいレンチもプライヤーレンチは言われています。

    長くバイクに乗るためには定期的なメンテナンスが必要であり、その都度多くのナットやボルトを開閉することになります。
    そのため作業は少しでも楽に行いたいですし、ボルトやナットに負担のかからないものにしたいものです。
    そこで、プライヤーレンチはとても優秀であり使い手にとっても楽に操作できるアイテムなのです。

  • レンチの使い方

    バイクメンテナンスで欠かせない工具のレンチ

    バイクをメンテナンスする際にレンチ類を使うことが無いということはありません。
    そのくらい常にメンテナンスでは必要となる使用頻度のとても高い工具です。

    レンチは日常で家具を組み立てるときにも使うことがあるため自宅にあるという人も多くいます。
    しかし、バイクのメンテナンスに使う際には家庭用のものでなくバイク用のものを用意しておくと作業がしやすくなりおすすめです。
    そこで、ここではこの使用頻度の高いレンチの種類と使い方を紹介していきます。

    レンチはどのように使うか

    エンジンやフレーム、足回りなど部品を2つ以上つなぎ合わせる際にはビスやボルトが必須です。
    その複数の部品をつなぎ合わせるためには溶接をすることが多いですが、溶接をすると外すことができません。
    しかし、パーツによっては取り外して部品交換をしたり清掃をしたりということが必要であり、その都度溶接を溶かすということは不可能です。

    そこで使われるのがビスやボルトです。
    ビスやボルトは接合した部分を必要に応じて取り外すことができます。
    そして、溶接では不可能な異素材同士でもくっつけることが可能です。

    ビスやナットを締めるためにはレンチが必要です。
    六角形の角にぴったりと合わせて使うことになるのでサイズに合わせたものを用意しなければなりません。
    ボルトやナットの頭に書かれている数字が二面幅を表しているので同じサイズのレンチを用意したらきれいにはまり簡単にまわすことができます。

    レンチにはいくつか種類があり、そのなかでも必ず持っておくべきものがスパナです。
    ボルトやナットに接するヘッドの一端が開いているような形状をしており、オープンエンドレンチと呼ばれることもあります。

    スパナは見ただけで使い方が簡単に理解できますし、難しい作業はありません。
    ただし、両者を傷めないためにもきちんとサイズの合っているものを使うことが必要です。

    次にボルトやナットに接続している部分がすべてつながっているタイプがめがねレンチです。
    輪っか状のデザインになっていることからリングレンチとも呼ばれている工具です。

    使い方やスパナと同じなのですが、ボルトやナットの六角形の部分がすべての頂点に触れるというのが大きな特徴です。
    これによって大きな力が加えやすく力が必要な部分の接続に使います。

    すべての頂点に合わせて使うのできちんとサイズに合ったものを選ばなければ使えません。
    また、使う際には大きな力がかかるので正しい方向に合わせて使わないとおかしな力がかかってナットやボルトがゆがんだり、ボディに傷がつく危険もあるので使う際にはきちんと場所を合わせて注意をしましょう。

  • ソケットの使い方

    意外と使っているソケット

    バイクに使われているビスやボルト、ナットといったものを締めたり緩めたりするという場面でソケット類は欠かせない道具です。
    カスタムやレストアといった大がかりな操作だけでなく、日常的なバイク整備やメンテナンスでも使う必要のあるものです。

    工具は持っていなくても何とかなる場面もありますが、やはり実際に使うものはきちんとしたものを持っている方が作業が効率よく進みますし作業中にバイクを破損してしまうようなこともありません。
    そのためソケット類についてもきちんとそろえておきましょう。
    ここでは道具の使い方と種類を紹介していきます。

    ラチェットレンチ

    頭の形が六角形のボルトやナットは大量生産をする際の作業を効率よくすることができるだけでなく、ドライバーでビスを回すのよりも強い回転力を付けられるというメリットがあります。
    マイナスドライバーでマイナスビスを回転させる際には一つの溝で180度の回転が必要ですが、プラスビスは十字に溝があることで90度の回転で済みます。
    同様に六角形の形をしていると60度以上の回転で次の工具のかかるチャンスがくるのでドライバーよりも強い力で締めることができるのです。

    そのためボルトの着脱には不便そうに見えるものの六花系のものが多用されています。
    スパナやメガネレンチといったものでもボルトを回すことができますがレンチの架け替えが必要で意外とこの作業が面倒です。
    連続的に回すことができるものとして登場したのがT字型のレンチです。

    T字型のレンチはソケット部分とハンドル部分が一体型になっているのでボルトのサイズが変わるとそれに応じてハンドルが必要となり数が増えるほどかさばってしまいます。
    そこで登場したのが任意でソケットサイズが変えられるインターチェンジャブルソケットレンチです。
    今ではこれが当たり前となっており、ソケットの活用の幅が広がっています。

    ソケットとハンドルが分離していることで様々なハンドルを作ることができ、今まで以上にソケットが有効活用されています。
    ボルトやナットからソケットを抜くことなく連続的に使えるラチェットレンチは特に使いやすいため作業前に用意しておきたい工具です。

    スパナを使ってボルトを締めるのもボルトが60度回ることが必要ですし、今では十二角形のものもあり、そういったものは30度ごとに回すことが必要でかなり手間がかかります。
    そのためスパナやメガネレンチではうまく回せないということがあり、ラチェットレンチを用意しておくほうが無難です。
    使ってみればわかるのですがソケットソケットがあることで作業は格段に楽に進められるようになり、メンテナンスが苦手と思っている人でもスムーズに作業がすすめられます。