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  • エンジンオイルのメンテナンス

    定期的に行ないたいメンテナンス

    エンジンオイルのメンテナンスは定期的に実施しなければならないため、気をつけている方も多いはずです。
    修理店に持ち込まれる方もいますが、エンジンオイルに関してはコツを掴めば自分でも行うことができるメンテナンスなので、ぜひ覚えておくと良いでしょう。
    ここではエンジンオイルのメンテナンスを行う際に注意したいことをいくつかご紹介します。

    参考:http://www.bikebros.co.jp/vb/mainte/mparts/mp-01-02/

    エンジンオイルを交換する理由

    そもそも、なぜエンジンにはエンジンオイルが必要で、定期的に交換しなければいけないのかという理由を把握しておかなければいけません。
    エンジンオイルは、バイクの中で心臓部と言っても良いほど大事な部分であるエンジンが正常に動作するように守る役割があります。
    主に潤滑と冷却の役割がありますが、これらの大事な役割はオイルが古くなるほど十分に発揮できないため定期的に交換しなければいけないのです。

    新車で購入したバイクの場合は1000キロを走行した時点か、納車後1ヶ月という期間が最初のエンジンオイルを交換する目安だと言われています。
    その他の場合については、前回エンジンオイルを交換した時から3000キロ走行した時点か、1年ごとという期間を目安にすると良いと言われています。
    この時期よりも早く交換が必要になる場合もあるため、できるだけ自分でエンジンオイルの状態を確認し、劣化が激しいと判断できる場合には早めに交換をしても良いです。

    エンジンオイルを取り替えてみましょう

    では、実際にエンジンオイルの交換を行う際の注意点をご紹介します。
    まずは事前に古いオイルを入れる処理容器を用意してください。
    自治体によって異なる場合もありますが、基本的には燃えるゴミとして廃棄できるため、きちんと処理容器を準備しておくことをおすすめします。

    ドレンボルトを緩めようとしてもかなり硬くなっているので、レンチで大きな力を込めて衝撃を与えてみると、後は簡単に回せるようになっています。
    逆方向に回すことがないように注意してください。
    オイルフィルターはエレメントと一緒に外れる仕組みになっていて、溜まっていたオイルが飛び出てくる場合があるので飛び散らないように注意して取り出しましょう。
    取り外したオイルストレーナーやボルトなどは全てパーツクリーナーを使ってキレイに洗います。
    エレメントを交換するタイミングは、2回目にオイルの取り換えをする時でも良いです。

    全てのパーツを元通りに組み込んで準備ができたら新しいエンジンオイルを入れてください。
    丁度良い規定量まで入れるは難しいかもしれませんが、まずはこのくらいで良いかなという位まで入れてからエンジンを動かしてみましょう。
    エンジンが始動するとオイルのゲージが丁度良い量になっているかを点検窓より確認できるようになります。

  • スポーツスター系のエンジンの持病

    よくある故障事例

    スポーツスターに乗っているオーナーさんから寄せられることが多い故障事例はエンジンがかからないという故障です。
    つい最近までは問題なく始動できたのに、ある日突然エンジンがかからなくなるという事例が多いです。
    ある意味、スポーツスター系エンジンの持病とも言える症状だと言えますが、具体的にどのような原因があるのかをご紹介します。

    参考:http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1499881039

    基本的なメンテナンス不足

    季節によってオイルの粘度を変えるというのはある意味常識になっていると思われますが、夏も冬も同じオイルを使用しているという方も少なくないようです。
    夏と同じオイルで冬も使っていると、エンジンがスムーズにかかりにくくなるという症状が見られます。
    オイルを取り替えた記憶がないという場合には、まずオイルの種類を確認してみることをおすすめします。

    また、プラグがカブっている、濡れているなどの問題が生じているのに何も対応していないというケースも多いです。
    プラグを磨いてみるか、プラグを交換してみると案外すんなりと始動する場合があります。
    問題なくプラグに火が飛んでいるようであれば他の原因を考えてみましょう。

    他にはキャブ詰まりの可能性も考えられるため、分解点検をする必要があります。
    クランクポジションセンサーの故障もよくあることなので、異常を感じた場合には早めに点検を行うか、プロに相談することをおすすめします。
    考えられる原因を一つずつ検証して、該当箇所を確実に修理していくことで正常な状態に戻すことができます。
    修理をする際には「ここはきっと大丈夫なはず」という思い込みをせずに、考えられる原因を一つずつ潰していくことが大切なのです。

    充電系統不良のバッテリー電圧不足

    スポーツスター系エンジンに起こりやすい原因をあらかじめ把握しておけば、簡単に原因を突き止めることができるようになります。
    さっきまで走行できていたのに、エンジンを停止してから再始動しようとするとエンジンがかからなくなったという事例があります。
    先日相談されたお客様もこのケースで、走行している際にボルトメーターの電圧が上がっていなかったことからバッテリーの電圧不足が考えられました。

    確認してみたところ、レギュレーターの出力もなかったことからカバーを取り外してステーターコイルを確認してみると、ここが原因でした。
    クランクケースと接触していたことで擦れてしまい、焼けた状態になっていました。
    これがスポーツスター系エンジンの持病とも言える症状の一つで、他にもよく発生し得る問題になります。

    早速新しい部品に交換し、クランクケースと接触しないように組み立てて無事に修理が完了しました。
    数日後、このお客様から順調にエンジンが始動できるようになり走行にも全く問題ないと報告を受けたので安心しました。

  • くせ者、カワサキ ザッパー系エンジン

    しばらく動かしていないと起こりやすい

    かつては次世代エンジンとしてもてはやされたカワサキのザッパー系エンジンを搭載した車種は既に廃番になっていますが、今でもザッパー系をこよなく愛しているオーナーさんはたくさん存在しています。
    どちらかといえば若い年齢層よりも中高年に愛されている車種なので、普段はあまり動かすことができずに車庫で眠った状態になっているというケースも多いです。
    ようやく時間に余裕が生まれたので久しぶりに愛車を動かしてみよう!と思い立ってエンジンをかけようとしたところ、エンジンがかからないというケースが多いです。
    ザッパー系に限らず、他の車種でもしばらく動かしていない場合にはエンジンがかかりにくくなる場合もありますが、ザッパー系に関しては特に多いと言われています。

    修理を手掛ける立場の自分としては、くせ者のカワサキザッパー系エンジンという認識があり原因の予想が簡単に思いつくのです。
    今回はザッパー系を修理した時の様子をご紹介します。

    くせ者と言われる原因

    ザッパー系エンジンをくせ者呼ばわりしている理由は、ワンウェイクラッチ(スタータクラッチ)が滑っていることが原因になっています。
    セルモーターを回してもクラッキングできないため、モーターだけが空回りしている状態になってエンジンが始動しないという状況になります。
    以前からここが弱点と言われていて、同様の症状を訴える方がとても多いのです。

    今回のお客様は、昨年バイクを動かそうとしてみたところ、なかなかエンジンをかけることができなかったので他の店に修理を依頼してもらっていたそうです。
    その後問題なく走行できていたそうですが、今回は約1年ぶりに動かそうと思ったところまたエンジンがかからなくなったということで相談を受けました。

    早速外してみたところ、クラッチを固定するはずのボルトに緩みが生じていたことが原因だったようでした。
    ボルトをしっかり固定させるためのロック剤を施していなかったことも原因のように見受けられました。
    こんな適当な修理をするなんて、前回修理したお店とは一体どこで担当をした整備士は誰なのだろうか?と個人的に興味が湧いてきました。
    今回は間違いなく修理をさせてもらったのでしばらく大丈夫だと思いますが、ザッパー系エンジンの場合はスタータクラッチのトラブルが多いことから再度エンジンがかからなくなるトラブルが起こる可能性もしっかり説明させてもらい、また何か不具合があった時には遠慮なく相談してくださいとお伝えしました。

    クラッチトラブル以外にも、単純にバッテリーが弱っていることが原因でエンジンがかからなくなる場合もあるので注意が必要です。
    弱っている状態のバッテリーなのに、更に何度もセルを回そうとするとあっという間にダメになってしまうのも仕方がないことです。

  • スクーターは故障に気づきづらい

    気付いた時にはかなり悪化している事も

    ちょい乗りに便利なスクーターは、幅広い年齢層の方が愛用しています。
    男女を問わずに活用されていますが、どうしてもメンテナンスが行き届いていないケースが多く、異変に気付いた時にはかなり症状が悪化している場合が多いのです。
    スクーターは故障に気づきづらいもので、修理を依頼された段階で廃車寸前になっていることも少なくありません。
    今回はスクーターの修理を依頼された時のお話をご紹介します。

    過酷な環境で酷使され続けたスクーター

    今回修理を依頼されたスクーターのオーナーさんは50代の男性で、毎日通勤のためスクーターを使っていたそうです。
    最近はめっきり加速しなくなってきたと感じていたものの、特におかしな音を発しているわけでもないし、まだ走行できているから問題無いだろうと見て見ぬふりをして使い続けていたそうです。
    雨の日も風の日も屋外に放置したまま保管して、長年まともにメンテナンスを施すことなく乗り続けてきたというスクーターを分解してみると、見事なほどに痛みが生じていました。
    スクーターは走行距離が長くなるほど駆動系の故障が目立ち始めます。
    今回のようになかなかスピードが出なくなってきたなどの症状を感じるようになったら、駆動系の故障を疑って早めに点検修理を行うことが大切です。

    今回のケースではウエイトローラーが既に割れていたこと、プレートが正常な役割をはたしていなかったことが原因になっていたようです。
    該当箇所を修理したところ、以前のような走行性能を取り戻すことができました。
    もし、この段階で修理をしていなかったらもっと悪い症状が出て廃車になる所だったかもしれません。
    スクーターの場合は、通常のバイクと比べてカバーで覆われる外観になっているため、どうしても異常を察知しにくいのです。

    意外と多い排気系のトラブル

    スクーターのスピードがあまり出ない状態になったので駆動系のトラブルだと思って確認してみたところ、特に異常がなかったからもう諦めるしかないのだろうかというお客様からご相談がありました。
    確かに駆動系の部品を確認してみたところ異常はありません。
    念のために排気系の部品を確認したところ、やはり異常を発見しました。
    今回はマフラーに詰まりが生じていたことが原因でスピードが出ないという症状が見られていたようです。

    スクーターのトラブルではマフラー詰まりが原因になることも多いです。
    普段から整備を行っている人なら異常に気付くかもしれませんが、マフラーから排気ガスがどのような出方をしているのかによって異変を察知できます。
    マフラー部分に手を当ててみて明らかに排気の様子がいつもとおかしいとか、音がおかしいと気付いた場合にはマフラーが詰まっているのだと考えてください。

  • 2ストの修理は手間がかかる

    今でも人気が高い

    現在流通しているバイクの多くは4ストロークエンジンになっていますが、以前の主流だった2ストロークエンジンの人気はまだまだ衰えていません。
    軽くて早いスピードを体感できることが2スト人気の秘密だと考えられますが、加速感はやはり2ストの方が良いと感じるライダーも多いはずです。
    乗っていて楽しいと感じられるバイクは、圧倒的に2ストだという意見も多いですよね。

    さて、今回はその2ストの修理依頼が数件入った時の様子をご紹介したいと思います。
    2ストのバイクに乗っているお客様は長年乗り続けていたからこそ愛着が湧いているので、しっかり修理をしてこれからも大事にしたいと考えています。
    そんな希望に応えるためにも、しっかり修理しなければいけないなと思いました。
    でも、2ストの修理は手間がかかるので大変です…。

    オイルポンプのオイル漏れ

    まずはメンテナンスを希望されているお客様のバイクを確認してみたところ、オイルポンプからオイル漏れが生じていることがわかりました。
    乗っていて何となくいつもとは違うなと感じたそうですが、自分では不良箇所がよくわからなかったそうです。
    愛着を持って大事に乗っていたからこそ異変を察知したのでしょうから、早めに気づいて良かったですよね。

    オイルポンプは2ストの肝心要な部分だといえますので、しっかり修理させてもらいました。
    この車種は発売から20年以上も経過していたバイクだったので、ゴムの部分はかなり硬くなっていました。
    これがオイル漏れを生じさせる原因になっていたのです。

    部品交換といっても、既にメーカーからの供給がないため他の部品を流用して使うことになります。
    これが2ストの修理に手間がかかってしまう原因になるのです。
    何とか部品を見つけて無事に修理を終えることができました。

    海外メーカーの充電不良

    2ストの修理が厄介なのは、なかなか思うように必要な部品が手に入らないからです。
    個人的にはお客様の要望にできるだけお応えしたいのですが、必要な部品が手に入らなければどうにもならないのです。

    海外メーカーの2ストバイクに乗っているお客様からバッテリー上がりで困っているとの相談を受けて拝見したところ、充電不良になっていた原因を突き止めることができました。
    しかし、困ったのが既にメーカーでは部品供給はしていない、他の車種から流用するか社外品を使えるのかでかなり手間取りました。
    結局、海外で何とか部品を手配することができたのですが、部品が手元に届くまでかなり時間を要してしまったので、思っていた以上にお客様をお待たせしてしまい申し訳なかったです。
    お客様も半分諦めていたそうですが、今回無事に直ったので喜ばれていました。