スポーツスター系のエンジンの持病

よくある故障事例

スポーツスターに乗っているオーナーさんから寄せられることが多い故障事例はエンジンがかからないという故障です。
つい最近までは問題なく始動できたのに、ある日突然エンジンがかからなくなるという事例が多いです。
ある意味、スポーツスター系エンジンの持病とも言える症状だと言えますが、具体的にどのような原因があるのかをご紹介します。

参考:http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1499881039

基本的なメンテナンス不足

季節によってオイルの粘度を変えるというのはある意味常識になっていると思われますが、夏も冬も同じオイルを使用しているという方も少なくないようです。
夏と同じオイルで冬も使っていると、エンジンがスムーズにかかりにくくなるという症状が見られます。
オイルを取り替えた記憶がないという場合には、まずオイルの種類を確認してみることをおすすめします。

また、プラグがカブっている、濡れているなどの問題が生じているのに何も対応していないというケースも多いです。
プラグを磨いてみるか、プラグを交換してみると案外すんなりと始動する場合があります。
問題なくプラグに火が飛んでいるようであれば他の原因を考えてみましょう。

他にはキャブ詰まりの可能性も考えられるため、分解点検をする必要があります。
クランクポジションセンサーの故障もよくあることなので、異常を感じた場合には早めに点検を行うか、プロに相談することをおすすめします。
考えられる原因を一つずつ検証して、該当箇所を確実に修理していくことで正常な状態に戻すことができます。
修理をする際には「ここはきっと大丈夫なはず」という思い込みをせずに、考えられる原因を一つずつ潰していくことが大切なのです。

充電系統不良のバッテリー電圧不足

スポーツスター系エンジンに起こりやすい原因をあらかじめ把握しておけば、簡単に原因を突き止めることができるようになります。
さっきまで走行できていたのに、エンジンを停止してから再始動しようとするとエンジンがかからなくなったという事例があります。
先日相談されたお客様もこのケースで、走行している際にボルトメーターの電圧が上がっていなかったことからバッテリーの電圧不足が考えられました。

確認してみたところ、レギュレーターの出力もなかったことからカバーを取り外してステーターコイルを確認してみると、ここが原因でした。
クランクケースと接触していたことで擦れてしまい、焼けた状態になっていました。
これがスポーツスター系エンジンの持病とも言える症状の一つで、他にもよく発生し得る問題になります。

早速新しい部品に交換し、クランクケースと接触しないように組み立てて無事に修理が完了しました。
数日後、このお客様から順調にエンジンが始動できるようになり走行にも全く問題ないと報告を受けたので安心しました。